ヒカルの碁 佐為ヒカ
佐為がいない。 振り向けば必ずそこにいたはずの佐為が…。 寂しさと絶望感が、一辺にヒカルの心を打ちのめす。 あちこち探し回りそれでも信じられなくて、たどり着いた棋院で、遠い昔の佐為を見つけ、涙した。 もう絶対に手の届かないところに行ってしまった…
「…佐為、最近コワイぜおまえの顔」 この間、ヒカルにそう言われた。 やっぱり忍び寄る危機感が、いつの間にか顔に表れてしまっていたのだろうか? 私が碁を打ちたいと漏らすたびに、文句を言いながらも付き合ってくれるヒカル。時には、気晴らしに…とできる…
「なぁーお前さぁ、本当に何も持てない訳?」 「無理ですよぉー、だってほら…」 そういって目の前にある碁石を取ろうとした佐為の手が、碁石をすり抜け、碁盤までも通り抜けてしまう。 ニコニコしながら、佐為は面白がって何度も「ほらっ、ほらっ?」と、同じ…