小春日和な日常

二次創作を取り扱っておりますので、お嫌いな方はそのままご退室下さい。主な作品は、夏目友人帳・テイルズオブデスティニー・テイルズオブシンフォニア・ヒカルの碁…他~。テイルズオブゼスティリアに関してはオフラインの情報をメインにのせて行く予定!

2013-01-01から1ヶ月間の記事一覧

1月27日 コミックシティ東京

『小春日和』のサークル名で、夏目友人帳で参加しています スペースNo.F48b 当日の販売物は、 田沼×夏目の小説本(SS中心でほのぼのな話) 新刊・既刊 ニャンコ先生グッズ エコバッグ・巾着袋・ポーチ・コインケース・ブックカバー 今回のブックカバ…

FUZZ

みんなの一番後ろを歩いていたゼロスが、一番初めにロイドの変調に気がついた。 実は前の日にロイドを構っていた時、少しだけ体温が高かった気がしたので、ゼロスはそれとなく様子を伺っていたのだ。 少し歩調が乱れてきたロイドの傍に近づくと、ゼロスはそ…

MINERAL

平坦で、砂っぽい道を延々と歩いている時に、ふと落とした目線の先で、きらきらと陽の光に照らされていた石を見つけた。 「どうした…」 道端で急にしゃがみこんだため、どうかしたのかと心配したらしいゼロスに声を掛けられる。 「なんか光った気がして、よ…

RUBY

「ロイドく~ん、オレ様、買い物に行ったりしてもいいかなぁ」 アルタミラに着いてホテルに入り、ほっと一息ついてみんながそれぞれ自由に動き始めた頃、ベッドの上で、ごろんと寝転がって一休みしていたロイドに、ゼロスがわざわざ傍まで寄ってきて声を掛け…

SWEET HEART

その日、ロイドは町の中を歩いていて、何かとても違和感を感じていた。 すれ違う人すれ違う人が、何故だかみんな花束を持っているのだ。 ――なんでだろう…? まさか行き交う人全てに関わる人が誕生日…なんてことは有り得ないよなぁーなんてことを考えながら歩…

笑顔に会いたい

夜中にふと目が覚めて、隣にあるはずのぬくもりがないことに気がつく。 薄暗い部屋の中を見回すが、その姿は見当たらない。こんな時間に何処へ…と思いながら、自分も起きだし、寝ていたままの服装で、部屋から出た。 廊下にもいない、階下のロビーにも見当た…

梅見月

小さくて可愛い白い花が枝いっぱいにほころんでいる、手を伸ばしたら届きそうな高さの木が、たくさんたくさん並んでいた。 それが夢なのか現実なのか、ただ記憶の奥底に残っている。 いつか見たことのある風景。 傍にいる人影は、父と母…? 今も忘れてはいな…

木芽月

険しかった雪道から徐々に地面が見え始める道に出ると、あたりの空気もどことなく春めいている。 こんな風景を見ると。ふとイセリアのことを思い出す。 ずっとずっと旅をして歩きながら、こんなところにまで来てしまった。 テセアラという世界が、どんな世界…

ココナッツ・ムーン

月明かりの下、暗がりの中で青白く照らされた森の木々と二つの人影。 今晩の寝床と決めた川岸よりは、少々外れた場所でつい今しがたまで、カイルはジューダスに剣の稽古をつけてもらっていた。 「暑っ、けっこう汗かいちゃった」 そんな火照った肌にひんやり…

秋色

「スタンっ!!」 「なんだ、リオン」 「こんなところに連れてきて、貴様いったいどういうつもりだっ!」 「えっ…だって、いい景色だろ」 「………」 「本当は、リーネの村に連れて行きたかったんだけどね」 「………」 「今頃はリーネも収穫の季節で、村の回りも…

金魚

「なんだ…?」 小さな器の水の中にひらひらと真っ赤な色をした魚が泳いでいた。 見たことも無いその魚の色に、リオンの足が一瞬止まる。 「あっ、それ知ってる! ジョニーに教えてもらったんだ」 後ろを歩いていたスタンが足を止めて、リオンの背後から覗き…

TRICK OR TREAT

「なんなんだ…このお菓子の山は?」 用事を済ませ、宿へ戻って一休みをしようと思っていたところへ、ドアを開けた途端に目に飛び込んできたその部屋の惨状に、深く静かにため息を漏らした。 元来寝るための場所であるベッドの上から、何故か床の上まで、お菓…

さくらさくら

「ずいぶん、暖かくなってきたな」 「ああ」 外はついこの間まで刺すような風が吹いていたのが嘘のように、暖かな空気で満ち溢れている。 冬の間は、山には羊を連れて行けないから、村の周りの草原に放つ。 「もうすぐ山に入れるなぁ」 「お前、山に行ったか…

粉雪が舞い散る夜に…

そろそろ寒さが身にしみる季節となり、部屋にコタツを出したら、そこはすっかりヒカルの住処となりはてている。 今更…と思いつつも、家主の威厳はどこにも無いことに、いささか危機感を覚えつつある今日この頃。 「今年ももうすぐ終わるね」 「そうだな」 今…

水族館

結局、佐為の奴を水族館に連れて行ってやれなかったな。 あの時約束したのに…絶対連れて行ったやるって。 でも、約束を果たす前に佐為はいなくなってしまったから…。 「和谷」 突然呼び出されて、何事かと飛んできた和谷に向かって、ヒカルが言った。 「水族…

空梅雨

今年の天候は何かおかしい。 春はやたらと雨が続いて、五月晴れの日も余り無かったと思ったら、梅雨に入った途端に雨が降らなくなった。 ほんの少し、気持ち程度の雨が降ったかと思うと、すぐに晴れ間が続くのだ。 しかも、暑い。真夏の日差しなのだ。夏は好…

夏空

棋院に顔を出した帰り道、ヒカルは伊角と和谷と3人で食事をすることになって、繁華街の方へと足を延ばした。 何処に入ろうかと、店を物色していると、突然伊角の携帯から、軽やかなメロディが鳴り出した。 「ごめんちょっと、待ってて」 そう言って慌てて、…

あさまだき

夏の日の夕暮れ時、昼のぎらぎらした太陽に照らされたアスファルトの熱がまだ残っていて、足元からの熱気に体力が奪われていくような気さえしながら、和谷のアパートにたどり着く。 ドアノブを回してドアを開けるが、そこも湿気と熱気の嵐だった。 「あづぃ…

SNOW FLAKE

音もなくひらひらと空から舞い降りてくる真っ白な欠片。 何もかもが白く染まった一面の景色の中に佇んでいると、自分までもがそのままこの音のない世界の中にその一部として取り込まれてしまいそうになる。 ただひたすら落ちてくる白い小さな欠片を見つめて…

宵闇

佐為がいない。 振り向けば必ずそこにいたはずの佐為が…。 寂しさと絶望感が、一辺にヒカルの心を打ちのめす。 あちこち探し回りそれでも信じられなくて、たどり着いた棋院で、遠い昔の佐為を見つけ、涙した。 もう絶対に手の届かないところに行ってしまった…

刻のかけら

「…佐為、最近コワイぜおまえの顔」 この間、ヒカルにそう言われた。 やっぱり忍び寄る危機感が、いつの間にか顔に表れてしまっていたのだろうか? 私が碁を打ちたいと漏らすたびに、文句を言いながらも付き合ってくれるヒカル。時には、気晴らしに…とできる…

まほろば

「なぁーお前さぁ、本当に何も持てない訳?」 「無理ですよぉー、だってほら…」 そういって目の前にある碁石を取ろうとした佐為の手が、碁石をすり抜け、碁盤までも通り抜けてしまう。 ニコニコしながら、佐為は面白がって何度も「ほらっ、ほらっ?」と、同じ…

ベジタブル

「夏目の唐揚げもーらい!」 「おいこら、西村っ!」 昼休み、クラスの違う田沼と北本もうちのクラスまで来て、弁当を広げるのがいつのまにか当たり前のように習慣づいていた。 西村が人の弁当を覗き込んでは、気に入ったおかずに手を出すのも定番で、それは…

ほっこり

「七辻屋に行ってこ~い」 バコン…! 有無を言わさず夏目のゲンコツが飛ぶ。 「自分で行け」 「にゃんだとぉ~、わしを誰だと思っているっ!」 「ブタねこ」 「しっ…失礼なっ!」 「なんでもいいから、ちょっとおとなしくしててくれよ、ニャンコ先生」 「ん…

小鳥

妖したちが例によって、林の中で宴会などと称したどんちゃん騒ぎを繰り広げる中、夏目は酒をかっ食らうニャンコ先生を置き去りにして、ふとその場から離れた。 林の向こうから微かな声が聞こえた気がしたのだ。 そんな夏目の様子に気づいたヒノエが、さり気…

5月の風

「キレイだね」 立ち止り、すっかり新緑に彩られた桜の木を見上げていると、後ろから声が掛かる。 「もう桜の花は散ったけど、葉っぱの緑がすごくキラキラしてたから、思わず立ち止って見てた」 すぐ傍まで寄ってきた夏目が、眩しそうにしながら桜を見上げる…